80歳のおばあちゃんを訪問してiPadを布教していたら働き方改革に脱線したお話

これね、iPadっていうの。これでこうやって、映画が見られたり本が読めたり、こうやって手書きでノート取ったりもできるんだよ。

 

今時の医学生は、勉強にもこれが必需品なんだよ。必要な教科書を授業のたびに全部持ち歩いてたらあまりにも重いから、電子化した教科書をこの端末に入れて使うらしいんだ。おまけにノートもこれで手書きで取れるんだよ。本当にこれ一つで勉強するんだよね。

 

この映画アプリは、たったの月500円で映画見放題だよ。え、古い映画ばっかりなんじゃないかって?いや、そんなことないんだよ。例えば、この映画なんて去年公開されたやつだよ。そうそうよく知ってるね、色々海外で賞をとったやつ。

 

スマホの画面で本を読んだり映画を見るのは疲れるけど、これなら画面が大きいから結構見やすいんだよね。

 

おばあちゃんがこれを手に入れれば、いろんなことができるようになるよ。例えばよく使いそうなのは、ネットで買い物とか。家にいても買い物できるの。便利でしょ。

あとはタクシー呼ぶとかね。そういえば今、東京って流しのタクシー全然走ってないんだよ。スマホで呼ぶのが流行ってきてるからかもね。

 

もう今、ネットで買えないものもできないことも、ほとんどないんだよ。

 

ネットで買えないってなんだろう。今思いつくのは宝くじくらいかなあ。あ、でも馬券は買えるよ笑

(注:あとで調べたら宝くじも買えるようでした。)

 

こういうものの料金の支払い方はって?全部クレジットカードだよ。クレジットカードはわかるよね。使ったことないのか。使った分が一ヶ月後とかに引き落とされるカードだね。もちろんネットでの決済で現金は使えないから、番号を打ち込めば使えるクレジットカードが使われるんだ。

逆に、番号を打ち込んでさえしまえば使えてしまうから、道で落としたときはすぐにカード会社に連絡して止めなきゃいけないんだよ。

 

ネットで買い物をすると、間違えてボタンを押して支払っちゃうのが不安になると思うけど、実際はネットで決済するときは結構繰り返し確認されるから大丈夫だよ。だから身に覚えのない請求ってかなり詐欺の可能性があるから気をつけてね

 

さっき言ったみたいな月々の登録をしたら、辞めたいときは手続きをしないと勝手にお金が引き落とされちゃうから注意しないとね。まあ注意しとけば全然大丈夫だけどね。NHKの集金の方がよっぽど悪どいし。

 

ほら、ちょっと触ってみて。この丸いボタンを押すと電源がつくんだ。で、こうやって指で触って動かすだけ。簡単でしょ。

例えば、ここを押すとネットが開くよ。

簡単でしょ?

 

まだ使いこなせるか不安なの?

 

これを作ったアップルって会社、裏面のリンゴマークで有名なんだけど、この会社っていうのは素人にでも画面を見て簡単に操作できるパソコンを初めて作って、タッチで操作してネットも使える携帯電話=スマートフォンを世界中に流行らせて、で、このiPadってのを作った会社でもあるんだ。

 

要するに、人が簡単に、直感的に操作できる機器を作るのがすごく得意な会社なんだ。だから、このiPadにしたってわざわざ勉強しなくても、使い始めれば操作方法なんてすぐに覚えられると思う。

 

しかも、画面が大きくて見やすいから、むしろおばあちゃんにこそ使いやすいんだよ。

 

 

これの大きな特徴は他にもあってね。

 

おばあちゃんのこのケータイ、買ってきたらもう取扱説明書に書いてある以上のことはできないよね。

 

でもこのiPad、画面のこのちっちゃい一つ一つ、アプリっていうんだけど、これ好きなだけ入れることができて、入れたアプリの数だけ機能が増えてくんだよ。

ちなみにここに金額が書いてあるやつはお金がかかるアプリね。これも、間違えて押しても確認が入るから、気付かず支払っちゃう心配いらないよ。

 

アプリは何万種類も何十万種類も、とても使いきれないくらいある。

例えば、こうやって地図って検索すると、地図のアプリが出てくるんだね。欲しい機能があったらその時にどんどん追加できるんだよ。

 

 

ところでこういうアプリたち、アップルが作ってるわけではないんだよね。

世界にはアプリを作る専門の会社とか、個人とかがいっぱいいて、その人たちが日々新しいアプリを作ってここに載せてるんだよ。

 

アプリの中には世界中で何億人に使われてるようなのもあって、そういうのを作って大金持ちになった人たちも何人もいるんだよ。夢があるよね。

 

 

でもこのアプリ、作るのは結構簡単なんだよ。

作り方をちょっと勉強すれば僕でもすぐ作れるんだから。

 

もちろん、ただ作るのと流行らせてお金を稼ぐのには大きな隔たりがあるけどね。

 

小説とかに似てるかもね。小説だってただ書くだけなら極論をいえば読み書き能力さえあればできるけど、実際に小説を書いている人は限られているし、その中で売り上げを出している人は一握りしかいない。

 

こういうところには特にはっきり出ている気がするけど、ネットが盛んになって若くしてお金を稼ぐハードルがぐっと下がったよね。せーので会社に入って下積みから始めるのが当たり前だった昔と比べたら、今はネットに動画作ってあげたり、アプリ作ってあげたりして稼げるんだから。20代の億万長者なんて世界にはごまんといるんだってさ。

 

問題を解く能力は機械やAIがどんどん肩代わりするから、その分これからは自分で考えて問題を発見する能力が必要になってくるから伸ばせ、っていうのは僕ら若い世代に向かって最近よく言われることなんだ。これはどの業界でも例外じゃなくて、多分医者もそうなっていくんだろうなあ。現に、今だって画像を機械に読み込ませて病変を見つけさせるみたいな研究は盛んに行われているから、その専門の医者は将来仕事がなくなるんじゃないかみたいなことはよく聞くし。

自主的に本を読んだり勉強したりして積極的に新しい知識を得る、というのは今までも医者の世界で当たり前だったけど、将来は新しい知識を得るのみならず、自ら新しい世界を切り開く、くらいの気概が、それもあらゆる分野の職業で優れた働き手の条件になっていくのかな。

 

そういえば働き方改革っていう言葉が最近流行ってるね。今まで勤勉な日本人は1働くところを2働いて国や産業の成長を成し遂げてきたけど、ここら辺で1まで働けばいい普通の状態に戻そう、というのが基本的な考え方だね。今でも日本人は2働いたり働かせたりするようなところがあるからね、機械が人間の仕事を取って代わるくらいだし、人間は休んでもいいのかもしれない。

 

でもさっきの話に戻ると、当てはまらない人も出てくるかもしれない。仕事外で積極的に知識を得たり考え事をして創造性を高めたりできる人は生産性を上げるようになると、労働量が単純な仕事場での作業時間と比例するという式が成り立たなくなっていくんじゃないかな。つまり、2倍働いて2生み出すという単純な図式ではなくなって、2倍働いて10も100も生み出す人が出てくるっていうことなんだよね。

 

1を生産する人と、10も100も生み出す人の間でどんどん格差が広がっていくかもしれないけど、しょうがないっちゃしょうがない。これは生活に仕事が埋め込まれている人と、仕事に生活が埋め込まれてる人の違いかもね。みんなで並んで工場で作業していた時代とは異なる人それぞれの仕事も価値観があって、それが実現されている証と言えるかもしれない。

 

 

さて、活躍を始める年齢が低年齢化しているのもそうなんだけど、寿命の延びによって活躍を続ける年齢が高年齢化しているというのもあるかもしれない。

 

昭和だったら、20代で就職して下積み、4,50代で脂が乗って60代で引退、死を待つという人生が一般的だったかもしれないけど、今は、10代で稼ぎ始めて、2,30代で稼いで、4,50代で稼いで、60,70,80で稼いで、90でも稼ぐなんていうことも全く夢じゃないんだよ。

 

まあおばあちゃんにこれから億万長者になれとは言わないけど、まだまだ新しいことに挑戦できる年齢なんじゃない?iPadとか、ね。

 

僕が生まれた2000年から今年で20年。このスマートフォンタブレットっていうのは、この20年で生み出された中で一番の発明なんだよ。そんなものを使わずにいるなんて、もったいなくない?

 

え、どうせもうすぐ死ぬからいいって?確かに、ちょうど明日死ぬんだったらそれでいいかもしれないけど、これから1ヶ月かも半年かも、1年かも10年かもわからないし、そのくらい生きるんだったらやっぱりこれを知らずに死ぬのは勿体無いよ。

 

 

それに今だったらまだ困らないかもしれないけど、これからインターネットっていうのは、さらに生活の全てにおいて広がっていくんだよ。もう国民全員がインターネットを使えて、納税とか投票までインターネットでやっちゃう国だってあるんだから。

 

もう、勉強するとかしないとかいう問題じゃなくて、言葉みたいなものなんじゃないかな。もしいきなり一人で外国にほうり出されたら、得意だろうが不得意だろうが、なんとかしてその国の言葉覚えるでしょ?

 

 

(ここで寿司の出前が届く)